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手術手技研修とは

外科系手術手技や内視鏡等の医療機器を用いた手術・検査手技は日々高度化しています。こうした技術は、実際の患者さんを手術するという臨床経験を積むことでのみ習得されてきました。

最近では動物や模型を用いた研修により臨床経験を補う試みがなされつつありますが、解剖学的構造が異なることや人体とは質感が全く異なることから、いずれも十分なものとは言えません。

これに対し、海外ではボランティアの方々のご遺体を用いた手術手技研修が広く行われており、日本人医師・歯科医師が渡航費と高額な研修費を支払い海外での研修を受講してきたという歴史があります。

近年、日本においてもご献体いただいた遺体を用いた手術手技のトレーニングを行うことを念頭に置いたガイドラインが、日本外科学会・日本解剖学会の共同ワーキンググループにより整備され、その環境が整ってきました。

こうした時代の要請を受け、東北大学では以下の3点を研修意義・目的とし、篤志によりご献体いただいた遺体を用いた、医師・歯科医師による手術手技向上研修事業を執り行っています。

  • ① 基本的な手術手技の向上と医療安全の増進を目指す。
  • ② 高度な手術手技教育による高度医療の一般化に寄与する。
  • ③ 医療技術・医療機器の開発研究により、日本の医療技術の更なる向上を目指す。

倫理的配慮について

プライバシーポリシー

東北大学 手術手技研修事業(以下当事業)では、個人情報に関する法令およびその他の規範を遵守し、ご献体いただいた貴重なご遺体の大切な個人情報の保護に万全を尽くします。また、臨床研究のうち、研究目的・内容についての情報を公開し、さらに拒否の機会(オプトアウト)を保障しております。

オプトアウトを用いた臨床研究は下記の通りです。

献体していただく際、ご遺体は教育及び研究に使用する旨の同意を故人とご遺族の方からいただいておりますが、同意された後であっても、今回の研究に故人のご遺体を使用することについて、いつでも使用を取りやめることができます。また取りやめる場合でも、いかなる不利益を受けることはありません。

また、研究を通じて得られた故人に係わる記録が学術雑誌や学会で発表されることがありますが、検体は匿名化した番号で管理されるため、得られたデータが報告書などで故人のデータであると特定されることはありませんので、故人やご遺族の方のプライバシーに係わる情報は保護されます。

本研究について知りたいことや、ご心配なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。また、この研究に故人のデータを使用されることを希望されない方は、ご連絡ください。

ご相談・ご連絡先は当ホームページのお問い合わせよりお願い致します。

御献体の手術手技研修等への使用の意思確認

既存の東北大学白菊会の全会員に対して、ご献体された貴重なご遺体が臨床医学の教育・研究等に使用されることについて説明し、平成24年7月にあらためて本人の意思を書面で確認しています。

これ以降の新規入会者については、ご献体されたご遺体が手術手技研修を含む臨床医学の教育・研究等に利用されることについて説明し、同意を得ております。

いずれの場合も、会員の生前の同意および遺体引き取り時の家族の同意が得られたご遺体についてのみ、手術手技研修等に利用しています。

白菊会会員に対する手術手技研修等への理解の取り組み

手術手技研修等への利用の意思確認に先立って、平成24年度の白菊会総会では、東北大学・整形外科学分野・前教授の井樋栄二先生が「臨床医学における教育研究」と題する講演を行いました。

ここでは、手術手技向上のために臨床医による研修が必要なことや、新たな治療法開発のため生体力学的研究が必要であることを訴え、会員への理解を求めました。

講演後の質疑応答において、臨床の教育と研究のために、ご遺体をより広い目的で使うことについて、多くの賛成意見を頂きました。

中には、自身の身体は手術手技研修にこそ用いて欲しいとの意見もあり、講演の内容は平成24年度の白菊会会報に掲載され、会員への周知を図っています。

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