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ご挨拶

東北大学大学院医学系研究科長 八重樫 伸生よりご挨拶

近年、ロボット手術を含む外科系手術テクニックやモニタリング機器などの医療機器が急速に高度化しており、シミュレータや動物を用いたトレーニングでは解決することができない、高度な外科手術手技習得や医療機器開発・研究における遺体利用の必要性はさらに広がっています。東北大学の遺体を用いた手術手技研修は、実際の手術により近い形でのトレーニングを望む外科系医師・歯科医師からの強い要望を受けて開始されたものです。こうした取り組みが、病に悩む患者に対して、新たな治療法や安心・安全な外科手術の提供に資するだけでなく、東北地方で不足している次世代を担う外科医の養成に寄与することを大いに期待しております。

本学の研修内容は、基本から高難度の手術手技習得や最新の手術機器開発にまで多岐にわたっており、その研修規模と充実した内容は、国内有数の研修として注目されています。さらに本学では、医療手技トレーニング施設であるクリニカル・スキルスラボや、動物を用いた外科手技トレーニング施設である先端トレーニングセンターと密に連携しながら、基本手技から高度手術手技までを、三位一体で階層的にトレーニングするシステムを整備しています。

ご遺体を使用させていただくにあたっては、法律の遵守や高い倫理性が求められますが、本学の手術手技研修は、日本外科学会が定める「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に完全に準拠しており、厚生労働省が定める「実践的な手術手技向上研修事業」に平成24年に採択されて以来、全国の拠点大学として他大学のモデルとなる研修を実施していると自負しております。

最後になりましたが、貴重なご遺体を使った本研修の趣旨に、日頃より格別のご理解とご協力をいただいている東北大学白菊会の皆様に心より感謝を申し上げます。今後益々の御支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

器官解剖学分野教授(指導監督者) 大和田 祐二よりご挨拶

外科医が手術を行うには人体の構造を熟知して初めて、安心・安全な手術が提供できますが,教科書やビデオ画像では立体的構造に習熟することは困難です。さらに日進月歩の医療技術や医療機器の進歩と改良に対応するためには、実際の患者さんの体に近い、遺体を使った外科手術手技の研鑽が欠かすことのできないものとなっています。

東北大学では篤志献体会である東北大学白菊会の全面的なご理解とご協力により、お預かりしたご遺体を、医師や歯科医師を目指す学生が人体の構造を学ぶための解剖学実習に加えて、学内外の医師の手術手技向上に資する研修に使用させて頂いております。
本研修は、若手医師の臨床解剖の知識習得や基本的な手術手技を学ぶため研修から,高難度の手術法の研修まで広くカバーしており、研修医から熟練した外科医まで年間のべ500名が参加し、40を超える研修が行われています。

本学では、ご遺体を医学教育目的である解剖実習以外の研修などに利用することについて、白菊会会員の生前の同意を頂くとともに、日本外科学会と日本解剖学会が定める「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に準拠した研修が実施されております。私は解剖学を専門とする立場から、研修が倫理的かつ円滑に実施されるようお手伝いできればと思っております。今後とも、皆様のご指導・ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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